文化財の保存と活用

国宝秋野鹿蒔絵手箱ほか美術工芸品保存活用整備事業

出雲大社 美術工芸品保存施設

環境負荷を抑えながら安定した保存環境を構築した次世代型収蔵庫

プロジェクト概要

国宝「秋野鹿蒔絵手箱」をはじめとした出雲大社伝来の貴重な宝物を保管する収蔵庫。出雲大社の有する文化財を未来へ継承し、隣接する宝物殿での公開活用を支える施設として、文化庁、島根県、出雲市の助成のもと境内地内に新たに整備されました。

文化庁の国庫補助収蔵庫の新しい整備基準を満たす、「高気密高断熱・空調設備補助方式」による次世代型収蔵庫として、建築本体の高い断熱性・気密性・調湿性と最小限の空調設備によって、環境負荷を抑えながら安定した保存環境の構築を実現しています。

所在地
島根県出雲市
事業主体
宗教法人 出雲大社
事業年度
平成25~27年度
完工年月
平成27年5月
延床面積
収蔵庫:166.0㎡ 渡廊下:46.6㎡
受託業務
建築設計・監理 収蔵棚設計

技術的な特徴

文化庁国庫補助収蔵庫の新しい整備基準※を満たす次世代型収蔵庫を実現。
※「文化財(美術工芸品)保存施設、保存活用施設 設置・管理ハンドブック/平成27年 文化庁」

高い断熱性・気密性・調湿性を確保した建築計画と必要最小限の空調設備により、収蔵する文化財に適した保存環境を確保。
24時恒温恒湿空調設備に頼らない施設計画により、ランニングコストを抑えながら、同時に災害(停電、空調機器の故障など)にも強い収蔵庫を実現。

施設全体外観
収蔵庫正面外観
収蔵庫内観

設計スタッフ

小林 宜文デザイン・設計

神社仏閣に関わる国指定文化財の保存環境整備に多く携わり、博物館、美術館の設立に関わるコンサルティングを担当。
伝統文化からサブカルチャーまで文化芸術が社会そして生活に幅広く取り入れられるために尽力。

一ノ瀬 裕行デザイン・設計

文化財の保存公開環境整備を専門として、博物館や社寺の宝物殿等の基礎調査、計画、設計・監理等を担当。文化財のおかれる現況と顧客ニーズの丁寧な把握を元に、文化財と人にとってより最適な環境の実現に取りくむ。