文化財の保存と活用

国宝 騎獅文殊菩薩

安倍文殊院

国宝である仏像を長く美しく拝観できる公開型収蔵庫へ

プロジェクト概要

木造本堂に接続される形でおよそ40年前に建築された既存の収蔵庫に対して、公開型収蔵庫として環境改善設計を行いました。

所在地
奈良県桜井市
事業主体
安倍文殊院
事業年度
平成23~24年度
完工年月
平成31年3月
延床面積
120㎡
受託業務
収蔵庫環境改善改修設計、収蔵、内装設計、空調設備設計、照明設備設計
ウェブサイト
https://www.abemonjuin.or.jp/

技術的な特徴

文化財を長く安置する部屋として空気環境を整えることから、美しい仏像を遜色なく拝観できるように視覚的な環境を整えることまで、公開型収蔵庫としての特殊な技術の提供に取り組みました。空気環境は、汚れた外気の侵入を防ぎ、定期的な空気循環と調湿機能に長けた壁装材の組み合わせで堂内の蒸れを防ぐなど文化財にとって優しい環境を整えています。視覚的な環境改善として、仏像群の背景に白色の調湿壁材を施すことや美術館博物館用の最新型LEDスポットライトで適切なモデリングを行うことで、仏像本来の姿を浮かび上がらせることに成功しています。

国宝騎獅文殊菩薩像を中心とした仏像群

改装前の収蔵庫

設計スタッフ

小林 宜文デザイン・設計

神社仏閣に関わる国指定文化財の保存環境整備に多く携わり、博物館、美術館の設立に関わるコンサルティングを担当。
伝統文化からサブカルチャーまで文化芸術が社会そして生活に幅広く取り入れられるために尽力。

青島 彩デザイン・設計