文化財の保存と活用
総本山園城寺(三井寺)事務所並びに指定文化財収蔵庫
園城寺(三井寺)の麗しい魅力を伝え、かつ、境内地活性化の核となる
収蔵展示施設を整備
プロジェクト概要
曩祖 智証大師生誕1200年記念事業として、貴重な文化財を継承していく収蔵庫、総本山業務を執行する事務所が設置されました。本来の機能のみならず、将来に向けて園城寺(三井寺)の麗しい魅力を多くの人々に伝えるべく、境内地内全体に新たな人の動きと流れを生むような、境内地活性化の核としても機能することを目的としています。
美しさと威容を誇る国宝・金堂をはじめ、独自の魅力を放つ個々の塔頭寺院、観音堂などの環境をつないでいく中心として、また、「園城寺とつながる玄関」としての開放的な空間を創出することにより、至宝を守り伝えるとともに境内地への新たなコミュニケーションを育む拠点としての役割も果たしていきます。
- 所在地
- 滋賀県大津市
- 事業主体
- 総本山 園城寺(三井寺)
- 事業年度
- 平成21~26年度
- 延床面積
- 総本山園城寺事務所 761㎡
指定文化財収蔵庫 465㎡ - 受託業務
- 基本計画、建築設計・監理
技術的な特徴
事務所は、歴史的景観の特別保存地区に指定される園城寺の木造建築群の伝統文化を視座に据え、伽藍配置に整えて配置を行いました。和様の建築の伝統の重視とともに、現代的な工法、指定文化財収蔵庫でも用いている熱負荷を軽減する空気循環システムなど環境に優しい工法を取り入れ、シンプルで開放的、かつ利用者にとって快適な建築となっています。
指定文化財収蔵庫は、収蔵される重要文化財を未来へ確実に継承するため、文化庁で策定が推進される最新の保存指針を採用し、高レベルでの耐火・耐震・防犯性を備え、かつランニングコストが非常に小さく、湿度変化が緩やかに抑制された適正な文化財保存環境を実現しました。同時に、収蔵空間と展示空間の融合にも配慮した設計としています。
設計スタッフ
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小林 宜文デザイン・設計
- 神社仏閣に関わる国指定文化財の保存環境整備に多く携わり、博物館、美術館の設立に関わるコンサルティングを担当。
伝統文化からサブカルチャーまで文化芸術が社会そして生活に幅広く取り入れられるために尽力。