
文化財の保存と活用
重要文化財木造楊柳観音立像ほか 保存活用施設整備事業
南都七大寺 大安寺 讃仰殿設
省エネルギー型空調システムや免震装置等により、
立像を中心とした貴重な文化財を安全に保存・公開する環境を実現
プロジェクト概要
平城京遷都時には日本最初の官立寺院として広大な寺領を要していた大安寺。多くの学僧が学び、仏教伝来のお寺とも言える大安寺は、千年を超えて伝承された天平仏と共に今でも国家の大安を祈り続けています。
文化庁、奈良県、奈良市の助成を受けて、収蔵される寺宝をしっかりと未来へ向けて守り、かつその価値を魅力的に伝える「守りながら魅せる」公開活用型収蔵庫として、保存と公開の「両立と継続」を高い次元で実現しながら、そこにしかない特徴的な空間を創出しました。
・省エネルギーな調湿システムで文化財の保存と拝観の環境を総合的に整えました
・大きな地震に備えて、各立像の下には免震装置を整えました
- 所在地
- 奈良県奈良市
- 事業主体
- 宗教法人 大安寺
- 事業年度
- 令和4年度
- 完工年月
- 令和5年3月
- 延床面積
- 収蔵庫:335.41㎡
- 受託業務
- 基本計画・建築設計・監理(収蔵・展示設備含む)
技術的な特徴
文化庁国庫補助収蔵庫の新しい整備基準※を満たす次世代型収蔵庫を実現。
※「文化財(美術工芸品)保存施設、保存活用施設 設置・管理ハンドブック/平成27年 文化庁」
収蔵庫を公開する方式により、お像や寺宝を広く安定した環境で守りながら、免振ステージや照明計画等の工夫により高い鑑賞性を確保。
建築本体で十分な断熱性・気密性・調湿性等を備えた計画により、24時恒温恒湿空調設備に頼らずランニングコストを抑えると共に災害強い施設を実現。文化財と施設の維持管理にかかる持続可能性にも配慮。



※写真撮影(公開収蔵庫1を除く)/岡田大次郎
設計スタッフ
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小林 宜文デザイン・設計
- 神社仏閣に関わる国指定文化財の保存環境整備に多く携わり、博物館、美術館の設立に関わるコンサルティングを担当。
伝統文化からサブカルチャーまで文化芸術が社会そして生活に幅広く取り入れられるために尽力。 -
青島 彩デザイン・設計